水曜日の片想い
王子様が橘くんなら、
お姫様は百合ちゃんで、
わたしはただの町娘。
魔法使いなんて現れないし、ガラスの靴だって履けないの。
0時の鐘が響いてもわたしには何も起こらない。
残るのは好きな人を想う儚い恋心。
誰も迎えに来てはくれないし、王子様を連れ出したってそこに見えるのは最悪の結末。
それなら、最初から知りたくなった。
叶わないなら全てを消し去って。
何も知らないあの頃に戻りたい。
そう願っても、わたしはどうしようもなく王子様好きだった。