水曜日の片想い
「忠告はしたわよ。じゃっ、わたしは旭陽と一緒にお昼食べるから邪魔者はどっか行ってね〜」
「はぁ!?」
邪魔者ってわたしのこと!?
「旭陽ぃ〜〜〜〜〜!!!」
さっきまでわたしを散々攻撃してきた重い声とは裏腹に、甘い声で橘くんの元へ駆けていく百合ちゃん。
当然、読書中の橘くんは気づいてないみたいだけど。
なにさ!
結局百合ちゃんも橘くん会いに来てただけなんじゃない!!
気づいてもらえない百合ちゃんの後ろ姿はまるでいつものわたしだ。
あんなに甘くて女の子っぽい声は出ないけどさ。
少し前のわたしなら怖気付いてここで諦めていたかもしれない。
百合ちゃんには叶わない。
所詮わたしと橘くんはつり合わないんだって。
でも、負けてなんかいられない。