水曜日の片想い
水曜日以外の放課後に橘くんと一緒に居るなんて、なんだか変な感じだ。
嬉しいのに落ち着かなくて、そわそわと挙動不審になりそう。
音楽室まではあと少しの距離。
教材を置き終わったら橘くんと一緒に居る理由がなくなってしまう。
なにか理由があればいいのに。
このままバイバイなんて寂しいよ…………。
そう思っても、時間はわたしの味方をしてはくれない。
ほんの数分で頼まれていた教材運びは終わってしまった。
「ふぅ………手伝ってくれてありがとう」
「別に」
こんなにすぐ終われたのはもちろん橘くんの存在が大きかったけど、もう少し遅くてもよかったのに………と黒い感情が脳内を支配していた。