水曜日の片想い
まだ、わたしにも望みがあるんだ。
堂々と橘くんを好きでいられる………。
あんなに可愛い子が結婚相手じゃ絶対勝ち目がないと思っていたけど、ただの幼なじみなら話は別。
橘くんの反応を見る限り、たぶん百合ちゃんに恋愛感情は持っていないんじゃないかな。
確信がないただの直感だけれど。
あとは、そうだったらいいなというわたしの願い。
「百合と結婚の約束をしてたら、キミに何か支障でもあったわけ?」
「あっ……その………」
「大ありだよ!」と叫んでやろうかと少し考えた。
「さ、寂しいなぁって…………」
けれど、そんな言葉を叫べるほどの勇気がわたしにはなかった。
あーあ、こういうのをチキン野郎とかいうんだろうなぁ。
当たって砕けろなんて言葉はいったい誰が考えたんだろう。
砕けちゃったら、元に戻すのは不可能でしょ?
この恋が砕けるのは絶対に嫌だ。