水曜日の片想い
まぁ、結局わたしがなんて答えようと橘くんは
「ふーん」
と、いつものように興味なさ気に返事をするだけ。
さすがはクール男子ってところかな。
先生が繋げてくれた後押しもあり、言えなかったことが1つ言えた。
今聞かなかったらわたしはずっと約束のことで頭を悩ませていたと思う。
全て百合ちゃんが仕組んだ嘘なのにね。
嘘の言葉に悩まされる時間ほど惜しいものはない。
せっかく頑張れたんだからさ、この勢いでもう1つだけ聞いてもいいかな?
今なら勢いで乗り切れる気がする。
「橘くんって花火とか、好き?」
「花火?」
「うん、花火」
「まぁ、嫌いではない」
「へー、そっかぁ」
嫌いではない……か………。