水曜日の片想い
「はっ…….おかしなヤツ。ほんと、瀬戸は見てて飽きないよな」
自分の行動に反省していたわたしとは裏腹に、橘くんはくすくすと楽しそうに笑っていた。
「手汗なんて誰も気にしないのに」
「なっ……….!」
「なんでわかったの!?」と言おうとしたけど、気づかれたのが恥ずかしくて途中で言葉を飲み込んだ。
橘くんはというと、焦っているわたしを見て楽しいのか、ずっと口元を押さえて笑っている。
もう………こんなことで楽しそうに笑ってくれるの、橘くんだけだよ?
嬉しいけど恥ずかしいから、絶対に本人には言わないけど。
「そんなことより早くわたあめ食べたいな!行こうよ」
これ以上この話を長引かせたらわたしが火傷しかねない。
橘くんが楽しんでいるうちに終わりにしておこう。
「ははっ、そうだな」
本当は橘くんの笑顔が見れたから、自分のことなんてどうでもよくなっちゃったんだけどね。