水曜日の片想い


射的を一度もやったことはないけど、とても難しいと聞いたことはある。


コルクが全然当たらないとか、当たっても落ちないとか理由は様々。


それをすぐに成功させてしまう橘くんはさすがだ。

完璧すぎて怖いくらい。



「ほら、やる」


「えっ」


取ったばかりのぬいぐるみをわたしに向けて「早くしろ」と呟くように言う。


「あ、うん」


なんとなくの流れでまた受け取ってしまったけど…………。



「それが欲しかったんだろ?」


「え、なんで……?」



「キミを見てたらそんな気がした」


「そ、そっか……」


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