水曜日の片想い
走って、走って、走って。
息ができなくなるくらい、ただひたすら前を向いて走った。
わたし自身も花火のように弾けて消えてしまえたらいいのに。
そうすれば橘くんを想うこともなく、今すぐ楽に慣れるのに。
そう願っても、橘くんへの気持ちは簡単に消えるわけがない。
好きが重なって溢れてくる。
1人じゃ抱えきれないよ。
助けて、苦しいの。
わたしだって、橘くんのことが……。
「好きだよ…………」
わたしの恋は、打ち上がる花火と共に夜空へと飛び散った。