水曜日の片想い
恋愛迷宮
眩しかった太陽も熱を失い、草木が色を変え始めた。
時折吹く風もどこか切なく、心をきゅっと締め付ける。
「寒いな………」
長かった夏休みも終わり、気がついた頃には冷たい風が吹くようになっていた。
夏休みの間、自分が何をしていたのかよく覚えていない。
誰かと遊んだ記憶もなければどこかに出かけた記憶もない。
ただひたすら流れる時間に身を任せていただけだったような気がする。
時間は時に残酷で、誰にも止めることができない。
誰も抗うことができない唯一の空間。
気がつけば夏休みが終わっていたように、あっという間に冬もやって来るのだろうか。