水曜日の片想い
「……って!わたしが手当てしてもらってる場合じゃないよ!橘くんのが痛そうだよ」
「大きな声を出すな、うるさいだろ」
また、不機嫌そうな顔をする。
わたしだけ手当てしてもらうなんてだめ。
もう我慢できない。
「………ちょっと来て!」
「お、おいどこに連れて行く気だよ」
橘くんの手をぐいっと引っ張り、図書室から無理矢理連れ出した。
橘くんったらわたしの心配してばっかり。
自分の心配もしてほしいのにっ!!
*
「失礼しまーす……………っあれ、誰も居ないや」
着いた場所は保健室。
先生も生徒も誰も居ない。
なら、勝手に借りていいよね?