水曜日の片想い


「……って!わたしが手当てしてもらってる場合じゃないよ!橘くんのが痛そうだよ」


「大きな声を出すな、うるさいだろ」



また、不機嫌そうな顔をする。


わたしだけ手当てしてもらうなんてだめ。

もう我慢できない。



「………ちょっと来て!」



「お、おいどこに連れて行く気だよ」



橘くんの手をぐいっと引っ張り、図書室から無理矢理連れ出した。



橘くんったらわたしの心配してばっかり。

自分の心配もしてほしいのにっ!!










「失礼しまーす……………っあれ、誰も居ないや」



着いた場所は保健室。


先生も生徒も誰も居ない。


なら、勝手に借りていいよね?


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