水曜日の片想い


図書室に来て欲しいならわたしを選んでよ。

百合ちゃんじゃなくて、わたしを好きになってほしかった。


告白の返事すらくれないのに、都合がよすぎると思わないの?


わたしの気持ちを弄んでばかりじゃない。

勇気を出して気持ちを伝えたんだ。

好きの2文字がどれだけ重い言葉なのか橘くんは全然わかってないよ。



「百合ちゃんのことが好きなくせに…………」


「は?」


橘くんはあの頃と変わらない。

どうでもいい人の恋心には無頓着な冷たい人のままだ。



「彼女がいるならこれ以上わたしに優しくしないで…………!!」



せっかく涙を拭ってくれていた橘くんの手を振り払った。



本当はこんなこと思ってないのに。


誰よりも優しい橘くんが大好きなのに。

大好きで、好きだからこそ苦しくて………。


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