水曜日の片想い
楽しかった日々はもう戻らない。
残るのは橘くんへの届かない想いと湧き上がる歪な感情だけ。
「もう、橘くんの友達やめる」
これ以上傷つきたくなかった。
全部忘れて楽になりたかった。
橘くんに恋したことを後悔したくない。
いい思い出として終わらせたくなったんだ。
「なっ……なに言って……」
わたしが傷ついた分だけ橘くんも傷つけばいい。
「行くな」って泣いてすがればいいのに。
そんなことありえないってわかりきっているけど。
「さよなら」
目も当てられずその場から駆け出した。