水曜日の片想い
突然終わりを告げられこの恋をどうすればいいかわからなかった。
橘くん以上に好きになれる人がいるとは思えないし、今すぐ新しい人に乗り換えるなんて無理だから。
どんなことがあっても、たとえ橘くんに彼女ができても諦めたりしないって誓った。
けど、もう無理だよ。
100%届かない想いにすがってこれ以上どうしろというの?
失恋した後も健気に想い続けられるほどわたしは強くなかった。
「日菜子………!」
振り向かない。
振り向けない。
聞こえているはずの橘くんの声にもぎゅっと耳を塞いで、これ以上心を揺さぶらないでと願っていた。
本当はさよならなんかしたくない。
ずっと側に………一緒に居たいんだよ。
だけどだめなんだ。
隣に居ていいのは“彼女”だけだから。