水曜日の片想い
「あー、もうっ!あなたを見てるのこっちがイライラして仕方ないのよ!!
勝手に失恋した気分で落ち込んで、全部旭陽のせいにして…………
旭陽の本当の気持ち聞いたことないくせに」
橘くんの気持ち…………。
本当は、告白の返事なんかいつだって聞けたんだ。
橘くんからの返事を待っているだけじゃなくて、自分から聞くこともできた。
返事をくれないんじゃなくて、わたしが返事を聞かなかったの。
橘くんの口から百合ちゃんが好きだと言われるのがたまらなく嫌だった。
聞いても聞かなくても、失恋することには変わりないのに。
心の片隅では、百合ちゃんと橘くんは付き合っていないんじゃないかと思い込みたがっていたのかもしれない。
失恋したなんて簡単に言うくせに実際のわたしは諦めが悪いんだ。
勝手に橘くんを悪者にして傷つくことから逃げてばかり。
傷つく覚悟もないやつが誰かを好きだなんて簡単に語っちゃいけない。