水曜日の片想い
「黙ってないでなんとか言いなさいよ!あなた本当に旭陽のこと好きなの?」
「好きだよっ………!」
考えるより先に勝手に口が動いていた。
橘くんに会えないこの数日間がどれほど苦しかったことか。
自分から橘くんの側を離れたが、これが本当に正解だったのか今でもわからずにいる。
今すぐ砕け散ってしまいそうなほど弱々しい想いだけど、わたしはやっぱり橘くんが好きで忘れることができなかった。
「たとえ橘くんが百合ちゃんを好きだとしても……わたしは橘くんが好きだよ………」
わたしは弱い。
でも、ずっと弱かったわけじゃない。
百合ちゃんに橘くんと結婚の約束をしていると言われたあの日、負けたくないと思った。
たとえ2人が相思相愛でもいいって。
「そんなに好きなら早く旭陽の気持ちを聞いてあげて」
優しく微笑んでいるのに、どこか寂しそうな百合ちゃんを見てなぜか胸が痛む。
ライバルだった百合ちゃんにここまで言わたらもう逃げるわけにはいかない。
「うん……!ありがとう百合ちゃん。ようやく気持ちの整理がついたよ」