水曜日の片想い


この感じ、知ってる。


橘くんが顔を隠すのはーーーー。



「俺だって、ずっと好きだったよ!」



照れた時ときだ。



「急に俺のこと避けるわ図書室には来なくなるわ、挙げ句の果てには俺が百合を好きだとか変なこと言いやがって……」



指の隙間からは赤く染まった、橘くんの頬が見える。



「友達やめるとか言ったくせに、俺のことがずっと好きだった?………ほんと、まじで意味わかんねぇよ」



ーーーー意味がわからないのはこっちのセリフだよ。


今、好きって言った?


橘くんが、わたしを?

そんなはずない。


「橘くんがわたしを好きなはずがない…………」


零れるように勝手に言葉が滑り落ちていた。


橘くんのを散々振り回し、困らせておきながらわたしのことを好きと言ってくれた言葉がどうしても信用できない。


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