水曜日の片想い



たとえばわたしと百合ちゃんを天秤に掛けたなら、誰もが99%百合ちゃんを選ぶだろう。

百合ちゃん以外の他の人とでもきっと同じ結果になるはずだ。


だから、わたしなんか………わたしなんかを………。


「さすがにその冗談はびっくりするからやめてよ〜」


たった1%しかない可能性だった。


1%だよ?

いや、0.1%くらいでもいいくらい希望が薄い恋だったのに。


橘くんがわたしを好きになる、

そんな奇跡が起こるわけ………。



「おっ、俺の人生初告白を冗談の一言で片づけんじゃねぇよバカ!!」


っ……。


いつもとは違う荒い口調が、言ったことは全て真実なのではないかとわたしを惑わしてくる。

こんな感情的な橘くんは初めて見た。



「だって、橘くんがわたしを好きになるなんて………ありえない気がして………」


ずっとわたしの片想いなんだと思っていたし、今でもそう思ってる。


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