水曜日の片想い


「それにしても…………」


わたしが告白をするまでもなく、もう答えがわかってしまった。


誰とも付き合う気がない橘くんとわたしの関係は、何ひとつ変わらないってこと。


むしろ告白なんかしたら気まずくなって、今まで通りじゃいられなくなるかもしれない。

そんな危険な綱渡りをするなんて無理だよ。


今のままの関係でも十分幸せだけど、本音は橘くんの1番になりたいと思うのが恋心ってやつだ。



告白する勇気なんてどうしたって出てこない。

答えはわかっているくせに、面と向かって断られるのが怖いの。


この関係が壊れてしまうのが嫌だ。



どうすれば、橘くんの1番になれるのかな?

どうすれば、振り向いてくれるのかな?


そんなことばかり考えるけど、実行に移す日はきっと程遠いだろう。



誰もいない校舎裏の茂みの中で、ひっそりと1人会議。


答えはでない。


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