水曜日の片想い


それにしても、


静かだなぁ……。



王子様がいるのにもかかわらず、水曜日の図書室はいつも橘くんとわたしだけ。


なんでかって?


それはね………。




「あっ、あのぉ………」




突然ギィ…と静かに鳴った図書室の扉。


視線を向けると1人の女の子が緊張した様子で現れた。

しかもなかなかの美少女。


青いリボンだから1年生かぁ。

ちなみに2年生は赤で3年生は緑と色で分かれている。


ビクビクして落ち着きのない感じだが、向かう場所は一直線に橘くんが居るカウンターだ。


水曜日にわたし以外の人が来るなんて珍しい。

本の返却日かな?


特に気にも止めていなかったがなんとなく目で女の子を追っていると、



「橘先輩、好きです!あっ、あたしと付き合ってください!!」


突然とんでもない一言を言い放った。



うぉおおおおこっ、こここ告白!?!?


告白現場……生で初めて見たよ……。


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