水曜日の片想い
玄関の前で「ありがとう、また明日学校で」と言ったら「あぁ、またな」とちゃんと返事をしてくれた。
本物の恋人同士になったみたいで、嬉しくて、緩む顔を堪えるのが大変だったな。
これで明日からすぐにでも、橘くんに声を掛けられる気がする。
高すぎるハードルを越えた後はなんて気分がいいんだろう。
勇気を出してみて本当によかった。
橘くんと一緒に帰るのは初めてだったはずなのにすごく居心地が良くて、1人で居る今の方が妙な違和感を感じる。
たぶん、わたしと橘くんは相性が抜群にいいんだ。
そういうことでいいよね?
今日、一緒に帰れたおかげでさらに橘くんが好きになった。
図書室以外でも、できればたくさん橘くんと一緒に居たい。
贅沢な想いが募ったの。
クールで、毒舌で、無愛想。
だけど本当は誰よりも優しくて、照れ屋で、笑顔が素敵。
まだ、誰も知らない橘くんのこと。
もっと、もっと、橘くんが知りたい。
近づきたいんだ。
もしもね、
わたしが「好き」だと伝えたらどんな反応するかな?
いつになるかわからないけど頑張るから、
それまで待っていてほしい。
その時にはきっと、橘くんのつり合う人になっていると思うから。