嘘つきな唇




その誰かさん。は私を指しているんだ。




私と大雅は数年前まではちゃんとした恋人同士だった。



だけど、私の独占欲の強さが大雅を浮気へと走らせて


別れて


でも、なぜか体の関係は保ったまま

今度は私が浮気相手へと立場が変わってしまった。




家を出て行く大雅の背中を見送ったあと、煙草に火をつけてその煙を胸いっぱいに吸い込んだ。




まるで


行かないで。


の言葉を飲み込んでしまうように。


< 2 / 18 >

この作品をシェア

pagetop