嘘つきな唇
だけど、終電前に彼を見送るようになってもう2年近くになる。
大雅の口から当たり前のように彼女の話題を聞かされる事もちらほらあった。
大雅の薬指に光る婚約指輪。
彼女と婚約までしたくせに
私との関係をまだ断つ素ぶりもみせないあいつは…
本当に最低だ…。
だけど
大好きな大雅をそんな最低な奴にした私は
もっともっと最低なんだ。
堕ちるとこまで堕ちてるかもしれないけれど…
でもまだこれよりも更に最下層があるなら
もうここで
終わりにしたい。
終わりにしたいと望んでいるのに…
大雅の顔を見ると
大雅に触れられと
さよならは
また次にしようって
思っちゃう。