嘘つきな唇
ぐずぐずな自分が嫌い。
スパッと断ち切れない自分が嫌い。
大雅を最低だと思いながら
それでも今日こそは私を選んでくれるかもしれないなんてどこかで考えてる自分が嫌い。
本当の恋人じゃないから
行かないでって引きとめられない。
引き止められないなら…
離したい。
矛盾ばかり頭に浮かんで
涙に変わって落ちて行く。
秋風に冷やされた涙が冷たい跡を頬に残して行く。
さっきまで大雅の温度で温かったはずの頬も1人になった途端に、嘘のようにその名残りさえ残さない。
指先で涙を拭っていると
隣からカラカラッと窓の開く音がして
慌ててカーディガンの裾で頬を拭って
向こう先に見えるコンビニの灯りに目をやった。