逸れ者ははじめから
俺は通学路を歩く事に10分もしない内に飽きてしまった…
高校の通学路までは、ほぼ一本道だが中間に差し掛かると勾配な坂がある。
毎日その坂を歩いてると思うと1日でどれだけ足が鍛えられる事だろう?
むしろ、毎日歩く意味がわからない…
俺の両親は、共働きなのだが自転車すら買ってくれない!
『悪魔だ!周りの奴らは自転車なのに!!』と心で思ってる。
まぢありえねぇー!

そう思ってる内に、あの勾配な坂に差し掛かった。
周りの自転車に乗る奴らは、自転車を降りて転がしながら坂を登ってる。
『自転車転がしながら歩くのダルいだろうな…』と思うが
周りと違う事の腹いせか、疲れる事わかってても俺は早足で登る。
この坂は嫌いだが、自転車を乗ってる奴より早く登る快感はたまらない。

考える人って像を知ってるだろう?
あれは地獄に落ちる人を嘲笑うかのように上から見下ろす番人なんだよ!
まさに考える人の気分だよ!!
しばらくその感覚に浸り
『あっやべぇ…』
快感に浸る時間はない。急いで学校行かなきゃ!
俺は坂を掛け上がり学校に向かった。

8時10分。学校の時計が見えた。
朝のホームルームまで残り10分…
俺は学校の階段を掛け上がり、教室に差し掛かかり
『やっと着いた』と気持ちを入れ替え、教室の扉を開け
颯爽と自分の席に着いた。
『はぁー…』またため息を吐いていた。
8時20分。
学校一の熱血的な、山口先生の登場!!
『おはよう!!みんな席に付け!』教室に先生の声が鳴り響く。
俺は、『朝からうるさいなぁ…』と思いながらバックから教本を取り出した。
『今日は、各学科でテストの復習するためにみんなには、悪いが朝からテストを返すぞ!!』朝から山口独断の公開処刑が始まった!
『やべっ…ほぼ赤点確定だわ』小声だが一人事言ってしまった。
俺は、朝からうなだれながら自分の一人事を聞かれたか周りを見回した。
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