逸れ者ははじめから
俺の担任である山口先生の熱血ぶりには、相変わらず愛想が尽き果てる。
熱血教師へのきっかけは、学生時代に見たドラマからみたいだ。
新学期の担任紹介では、『こんな時代だから情のある奴が必要なんだ!』などと
いろいろと熱血ぶりを語っていたが、
なんだか俺は聞いてる方が恥ずかしくなった。
なんで今時?みたいなと考えて仕方ない。
とにもかくにも、俺は山口先生が苦手なんだ…
『はぁー…』朝から俺はため息ばかり。
そんな事を思い出してる内に、公開処刑が始まる…
山口は体育教師のくせして、各学科の点数を言いながらテストを配布する。
学生にしては、公開処刑と代わりは無いよ。
『はじめ!!』山口の声にびっくりして顔あげた。
ついに、俺の番だ。赤点に間違いない。
気乗りはしないまま俺は、教卓まで歩いた。
『はじめ!!今回も全部赤点だが、また次があるから頑張れ!』
山口に遠回しに励まされて『は…はい…』と俺は答えた。
すぐに振り向くのが怖い。後ろから沢山の視線を感じる…
『私、彼氏に教えてもらったから赤点とかないわー』
『頭の作りが良いからぜってぇーないない』
ごちゃごちゃ色んな声と笑い声。
『うるさい…否定してんな!!』俺は恥じと怒りの感情に押し潰されそうになった。
その感情の矛先は、山口に向けていた。
『なんでクラスメートが分かるくらいにでけぇー声で言うだよ!』
『バカなの?山口お前は、ホントに情があんのか?』声にならない声が頭を駆け巡る。
俺は、イライラしながらも自分の席に戻り舌打ちをした。
『チッ…』
もう帰りたい。と思っていると
『変えたくない?』
小さくもはっきりと俺の耳に響く声。誰だ?俺に言ったんだよな?
ふと隣を見ると俺を見る眼差しが一つ。
『変えたくない?周りからのレッテルを』
俺に問いかけたのは、隣の席の女子。この時初めて、声を掛けられた。
彼女は、橘 正。初めての点呼で名前を聞いたときは、男だと思ったのをいまだに覚えてる。まさだぜ!?男だと思うよね?
今まで一度も話した事のない彼女から初めての言葉。
俺は、つい口が先走り『うん…』と言ってしまった。
彼女は、俺に微笑み『わかった。』と言った。
熱血教師へのきっかけは、学生時代に見たドラマからみたいだ。
新学期の担任紹介では、『こんな時代だから情のある奴が必要なんだ!』などと
いろいろと熱血ぶりを語っていたが、
なんだか俺は聞いてる方が恥ずかしくなった。
なんで今時?みたいなと考えて仕方ない。
とにもかくにも、俺は山口先生が苦手なんだ…
『はぁー…』朝から俺はため息ばかり。
そんな事を思い出してる内に、公開処刑が始まる…
山口は体育教師のくせして、各学科の点数を言いながらテストを配布する。
学生にしては、公開処刑と代わりは無いよ。
『はじめ!!』山口の声にびっくりして顔あげた。
ついに、俺の番だ。赤点に間違いない。
気乗りはしないまま俺は、教卓まで歩いた。
『はじめ!!今回も全部赤点だが、また次があるから頑張れ!』
山口に遠回しに励まされて『は…はい…』と俺は答えた。
すぐに振り向くのが怖い。後ろから沢山の視線を感じる…
『私、彼氏に教えてもらったから赤点とかないわー』
『頭の作りが良いからぜってぇーないない』
ごちゃごちゃ色んな声と笑い声。
『うるさい…否定してんな!!』俺は恥じと怒りの感情に押し潰されそうになった。
その感情の矛先は、山口に向けていた。
『なんでクラスメートが分かるくらいにでけぇー声で言うだよ!』
『バカなの?山口お前は、ホントに情があんのか?』声にならない声が頭を駆け巡る。
俺は、イライラしながらも自分の席に戻り舌打ちをした。
『チッ…』
もう帰りたい。と思っていると
『変えたくない?』
小さくもはっきりと俺の耳に響く声。誰だ?俺に言ったんだよな?
ふと隣を見ると俺を見る眼差しが一つ。
『変えたくない?周りからのレッテルを』
俺に問いかけたのは、隣の席の女子。この時初めて、声を掛けられた。
彼女は、橘 正。初めての点呼で名前を聞いたときは、男だと思ったのをいまだに覚えてる。まさだぜ!?男だと思うよね?
今まで一度も話した事のない彼女から初めての言葉。
俺は、つい口が先走り『うん…』と言ってしまった。
彼女は、俺に微笑み『わかった。』と言った。