元姫と元王子の約束


綺麗(きれい)に着地してあげた顔は
整っていて、
髪は紅だった。


『お前は何者か。』


と、使い魔に命令する時の口調で言うと、


『…家出をしてきた者だ。』


と、一瞬びっくりした顔をしたあとに言って


どうせ戻るが。


と呟いた(つぶやいた)。



合った目は明るい茶色の瞳で
日に照らされる茶はこんなにも綺麗なのだと
素直に思った。


『ここは?』


と聞いてきた同い年くらいの少年に


『群青の城よ。
…知らずに入ってきたの?
てっきり、今から攻撃を仕掛けてくるのかと思って
身構えていたのだけど。』



『群青の城!?
白き者のトップの?』



『ええ、私はこの城の第一王女よ。
…あなたは?』


『…………………レオン。』




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