右肩の蝶、飛んだ。
「キスが欲しいッて強請るうちに、自分から背中に手を回して、足を腰に巻きつけても――キスだけはしない。それだけで、今も忘れられなくてあの日を夢見ちゃうのよね」
「伊月さんの相手って……」
「良いの。自由に飛び回ってた方が。その方がアイツらしいもの。私は貴方の呪いを解いてあげるだたの魔法使いになってあげる」
甘く首筋に噛みつくと、伊月さんは私に優しく魔法をかけた。
「貴方は、ただの臆病なだけの普通の女の子よ。自信を持ちなさい」
普通の、女の子。
擬態だの、偽りだの、逃げだせばいいだの。
私はいつもネガティブに自分自身を達観していたけれど。
そんな私を伊月さんは普通の女の子だと、受け止めてくれた。
「で、どうするの?」
絡めた指先が、私をシーツへ縫いつける。
煙草とお酒の匂いが絡む危険な場所に、押し付けられていく。
「伊月さんの相手って……」
「良いの。自由に飛び回ってた方が。その方がアイツらしいもの。私は貴方の呪いを解いてあげるだたの魔法使いになってあげる」
甘く首筋に噛みつくと、伊月さんは私に優しく魔法をかけた。
「貴方は、ただの臆病なだけの普通の女の子よ。自信を持ちなさい」
普通の、女の子。
擬態だの、偽りだの、逃げだせばいいだの。
私はいつもネガティブに自分自身を達観していたけれど。
そんな私を伊月さんは普通の女の子だと、受け止めてくれた。
「で、どうするの?」
絡めた指先が、私をシーツへ縫いつける。
煙草とお酒の匂いが絡む危険な場所に、押し付けられていく。