花火

             悠樹side

夏希は変わった。

あの時屋上で夏希はわかってるからといって

屋上から去っていった

止めたかった、待てよって言いたかった

おれは北沢と付き合ってないって言いたかった

でも言えなかったんだ、夏希が北沢のことを思いながら俺に最後

「幸せになってね」
 
って、今まで見たなかで一番良い笑顔で

言ったんだ。

夏希の最後がんばって笑った努力を

無駄にしてはいけないとおもった。

でもやっぱり北沢とは付き合えなくて

夏希と話しなくてでも部屋の窓の鍵が

閉まってるのをしってるから夏希が

俺と話したくないんだなとおもった。




夏希が髪の毛を切った。

あんなに伸ばしてたのに

でもショートカットも似合っていて

似合ってる、可愛い

って言いたくて、でも夏希は俺を見ない

それどころか俺がいるとわかると遠回りしてでも俺を避けている

夏希の寂しいそうだけど優しい顔をして、空を見ている表情が
好きだった。

あんなによく笑ってた夏希だったのに

夏希は笑わなくなってしまった。

俺のせいだ。あの時ちゃんと言えば

いまでも夏希は笑ってたのかな、

もういいよって言われても

ちゃんと言えば夏希はきっといまでも

笑ってたんだろうな

夏希は北沢と話してても誰と話してても

どこか寂しい表情をしていて

北沢が大笑いしている横で夏希の心は泣いていた。

俺が夏希の笑顔を奪った。


夏希が笑わなくなったからなのか

最近よく雨が降る。

もうすぐ夏休みに入る

夏希と、ちゃんと話さないと

夏休みにちゃんと話さないと夏希は

もう笑わなくなると思った。

俺は俺じゃなくなった。夏希の笑顔を
奪ってしまった。

夏希の笑顔が見れなくなった

俺は何をしても失敗ばっかりで

夜は眠れず寝ないまま学校にいったときも

あった。


悠樹side
END.
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