花火
「夏希〜購買いこ!」
授業が終わると話かけてきたのは
北沢 涼(きたざわ すず)
涼は高校に入ってからできた友達。
私達は購買に向かう。
私はいつも購買でメロンパンとクリームパンを買う。
飲み物はいちごオレ
「夏希、ほんといつも同じだよね
飽きたりしないの?」
「それ前も聞いたことあったよね
私、メロンパン好きだから!」
「そりゃ、おいしいけど〜
やっぱクリームパンよりチョコパン派かな」
といって笑う。
涼の笑顔はほんとに癒やされる。
「え〜絶対クリームパンだよ!」
「そんなのどっちでもいいよ
それより俺にクリームパンちょーだい」
と言ってきたこいつ。
中野 悠樹(なかの ゆうき)
こいつにはほんと色々助けてもらってる。
幼なじみで家が隣だ。
私は悠樹の言葉に救われたからほんとに感謝してる
実は私は悠樹が好き。
「何言ってんの、自分で買ってきなよ
クリームパンは私の命だから!」
誰がお前なんかにやるか
私はメロンパンとクリームパンで午後の授業のパワーを充電してるんだぞ。
「なんだよ、ケチ〜しょうがないから買ってくるよ」
「はいはい、いってらっしゃい〜」
そんな会話をしてる私達を笑う涼。
「ほんと悠樹くんも夏希もお互いがお互いの事大事に思ってるよね」
「えぇ!ほんなことないって!だってクリームパンをとろうとするんだよ!」
そうだよ、私の命のクリームパンなんだぞ
それをもらおうなんて100年はやいわ!
「でも、結局自分で購買いくよね」
「まあね、私があいつにクリームパンを渡すわけないよ」
「ほんとすきだね」
といって、微笑む涼
「あのね、夏希…」
「ん?どうしたの?」
嫌な予感がした
「夏希ってさ、悠樹くんのこと」
あ、だめだ、これ以上言われたら
「好きなの?」
小さい時からそうだった。
好きなの?そうきくひとは
悠樹が好き。
「好きじゃないよ」
私は決まってこう答える。
好きだけど好きなんて言ったら
涼がかなしむ、それをわかっているから
好きなんて言わない。
「私ね、悠樹くんのことが」
だめ、それ以上言わないで
「好きなんだ。」
「…そう、なんだ」
やっぱり、涼は悠樹のことが好き
わかってた。私と悠樹が話してる時いつも
羨ましそうに私達をみてる。