Destiny.
出会い.
会社を逃げるように退社し、
足早に帰路を歩いていく。
どうして私がこんなことに巻き込まれるの。
私が何をしたっていうの。
本当に気分が悪い。
私、斎藤鈴(さいとうりん)は、
19歳の時に今現在勤めている派遣会社に
正社員として中途採用された。
勤め始めて7年。
私は文句も言わずに働いてきた。
暑い中の営業も、寒い中の営業も、
毎日得意先まで足を運び頑張ってきた。
その仕事ぶりが評価され、
最近昇進もしたばかりだ。
嫌な接待だって頑張ってきた。
大好きなお酒が不味く感じたが一生懸命、
相手に気を使い笑顔でお酌をした。
会社ではプライベートは考えず、
深夜まで残業して結果をだしてきたのに・・・
なのに・・・
私があんなことに巻き込まれるなんて。
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午前中の営業が片付きやっとお昼の時間。
大好きなカフェのホットサンドと、
ミルクティーをテイクアウトしてきた。
お昼くらいは自分の好きな物食べて、
午後の営業も頑張らなきゃ。
温かいうちに食べてしまおうと机に置いた瞬間、
肩をドンッと叩かれた。
肩を叩かれた方向に顔を向けると
一人の女の人が立っていた。