【完】何度でも、キミの瞳に恋をする。






☪︎


˚




「また、来たんだね。」






ドアのほうから、そんないささか聞き覚えのありすぎる声がしたかと思うと



また、漆黒の柔らかな髪がふわりと揺れた。










「黒羽…惺……!?」




私は驚いて反射で上半身をあげる。









今、考えに辿りついたばかりの相手が目の前に現れて

私は混乱と同時に焦っていた。












………なんて、言おう。




聞いたほうがいいのだろうか。









それとも、間違えていたら………













そんなことを思ってうじうじしていると



「どうしたの?言ってみなよ。」





そう、彼に優しく諭されて


私はゆっくりと、口を開いた。









「あの…さ………。黒羽くんって、前に私と会ったこと、ある………?」






違ったら、不審者だよね………なんて思いながら


私がおどおどと言葉を紡ぐと



「前って、どれくらい、前?」



そう、あやすように優しく聞いてきた。






「私が人げ…………トワイライト魔法科高校に転校してくる、前。」







人間界……といいかけてやめる。



黒羽くんと、人間界で出会ってるなんて証拠は、どこにもないから。


そんなことを言ったら不審がられるに決まっている。





それに、なんだか彼には心を見透かされているようで空恐ろしくなる時が稀にある。




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