【完】何度でも、キミの瞳に恋をする。
黒羽くんはそう言って、気まずそうに伏せていた目を上げる。
「優菜ちゃん、泣きそうなカオ、してる。」
そういって私の頭を優しく撫でた。
「…………っ。」
嘘。
私、そんな顔してる………?
なんで…………。
秋雨くんが触れられただけで…?
「いいんだよ。」
「えっ……!?」
想像以上に近くから声が聞こえて驚いて私は顔をあげた。
気づけば黒羽くんは私の頭を自分の肩までひき寄せていた。
「勘違いされてもいいよ。」
吐息が髪にかかって揺れる。
甘いくすぐったさが私を翻弄する。
「聖じゃなくてさ。僕にしときなよ。」
目を合わせてそう言われたかと思うと