【完】何度でも、キミの瞳に恋をする。
「妖が、妖が、出たかもしれないんだ!」
…………そうなんだ。
なんて、
その時の私はまだ、軽く捉えていた。
「芹沢ちゃんは、妖が人の形になれるって、知ってる?」
「……………え。」
妖って………幽霊のようなものじゃ、ないの………?
「妖の人での姿は……………
漆黒の髪に、漆黒の瞳。
その瞳は、猫のように細く、鋭く、光っているんだ。」
「……………っ!?」
漆黒の髪に漆黒の瞳………………。
それは、私の知る限り、ひとりしかいない…………。