【完】何度でも、キミの瞳に恋をする。
「水瀬さん………で、あってるかな?
きみは、席を外してもらってもいい?」
「外すわけ………ないだろっ!
芹沢ちゃんは私の友達だ。あんたに手を出されたら、困る。」
「気持ちは分かるけど…。
でも、今は、水瀬さんに席を外してもらった方がいいんじゃない?
ねぇ、優菜ちゃん。」
黒羽くんのその言葉に私がこくり、と頷くと
リリーちゃんは心配そうにしながらも、
ドアの向こうへ消えていった。
涼しい、風が流れる。
しばらくの沈黙に少し居心地が悪くなって、
身じろぎすると
私は、思い切って口を開いた。
「あの…さ………。
黒羽くんは、妖………なの……?」
「そうだよ?」
あっさりと答えた黒羽くんに、
ごくり、と息を呑む。
否定して………欲しかった……。
なんて、わがままだよね。