【完】何度でも、キミの瞳に恋をする。
3*『キミの瞳に恋をする』
その時、鋭い風が吹き、草木が揺れた。
風に突かれて、金木犀の香りが、私の鼻をくすぐる。
「…………っ!!」
そうだ。私は……………………
その時、私は、
全てを思いだした。
私が、探しているのは、
ホシは、
黒羽くんじゃ、ない。
ハッと目が覚めた。
惑わされちゃ、いけない。
窓辺に飾ってある澄んだライトブルーの小瓶も
壁に掛けられた向日葵の写真も
全部
全部
彼だった。