【完】何度でも、キミの瞳に恋をする。
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『優菜。』
広い広い屋上。
世界には私しかいなくなっちゃったんじゃないか、
なんて思えてしまうくらい静かなその空間で
たったひとつ
私の足音だけが響く。
縁に巡り張らされた緑のフェンスの向こうがわには
びっくりするほど綺麗な満点の星が輝いていた。
―まるで、あの日のように。
あの時のように。
フェンスを掴むとたくさんの星々に自分が包まれているような錯覚を受ける。
「綺麗………」
思わず呟いたその言葉は
藍色の星宙に溶けていった。
この、藍色の深い宙の中。
この、一億千万のきらめきの中。
あなたは、どこにいるの?
心の中で呟きながら
身を乗り出して、宙を見上げる。