【完】何度でも、キミの瞳に恋をする。
いちばん輝いて瞳に映る
アンドロメダとアルゴルとをそっと指でなぞると
『優菜、これがペルセウス座だよ。』
幼い私に星を語る
あの優しい声が、蘇った気がした。
ふわり
季節外れの金木犀の風が
そっと私の鼻をくすぐる。
『優菜。』
その時、彼は私の名前を呼んだ。
『ごめん。優菜。』
濡れ羽色の髪が揺れる。
彼は
―聖は
私に謝った。
そして………
『もうすぐで、俺は消えるんだ………。』
琥珀色の瞳を濡らして呟いた。