【完】何度でも、キミの瞳に恋をする。
「きみも、あの時の秋雨くんと、同じ道を辿ればいい。」
「優菜ちゃん、好きだよ。」
相反する言葉を放ちながら、にやりと笑う。
私のなかで嫌悪感が膨らんでいく………。
にやにやと笑うと彼は、私に手をかざした。
見たことのない真っ黒なもやもやしたパウダーが迫ってくる。
私は息を吸うと
彼に、手をかざした。
黄金色のパウダーが漆黒に飲まれていく。
放っても放っても飲み込んでいくそれは、
ブラックホールのようだ。
「………っ。」
力が、吸い取られていくのを感じる。
「…………っぅ!!」
強い。
私には、敵わないほど、強い。
私は生気を失って、膝から崩れ落ちた。
「その程度?つまんないの。」
一歩、二歩………
彼の気配が近づいてくる。
もう……だめだ…………。
「これで、秋雨くんも堕ちたと同然だね。」
「…………っ!?」