【完】何度でも、キミの瞳に恋をする。






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30.妖のうまれる理由と人の形になった時の特徴を答えなさい。






そして















この妖を、倒しなさい。





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そう、書かれた下には


シールドで作られた袋があって、


その中に黒い小さなもやもやが入っていた。



…………赤ちゃんの、妖だ。






途端、黒羽惺を倒した時の、あの記憶がフラッシュバックした。




˳

˚




『きみも、あの時の秋雨くんと、同じ道を辿ればいい。』



『優菜ちゃん、好きだよ。』



そう笑うと彼は、私に手をかざした。




見たことのない真っ黒なもやもやしたパウダーが迫ってくる。






私は息を吸うと


彼に、手をかざした。



黄金色のパウダーが漆黒に飲まれていく。




放っても放っても飲み込んでいくそれは、ブラックホールのようだ。


『………っ。』



力が、吸い取られていくのを感じる。






『…………っぅ!!』



強い。


私には、敵わないほど、強い。



私は生気を失って、膝から崩れ落ちた。



『その程度?つまんないの。』




一歩、二歩………


彼の気配が近づいてくる。



もう……だめだ…………。



『これで、秋雨くんも堕ちたと同然だね。』




『…………っ!?』





彼の手が私に触れる。


そのまま魂を蝕まれる……………







嫌だ!!!

そんなの、絶対に、嫌だ!!!



私は、聖を、守る!!!!





私に触れたところから、彼の体が黄金に輝き始めた。






『………!?なんだ、これは………。』




彼が驚いたような声を上げる。





彼の好きには、させないんだからっ!!!





体の底から力が湧いてくる。


私はグッと踏ん張ると


彼のその、漆黒の髪に手をかざした。




˳

˚




テスト残り10分のチャイムが流れて

私はハッとした。






正直言えば、もう、やりたくない………






でも、やらないわけには、いけない。






だって、今の私は1点さえも落とすことは許されないから。





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