【完】何度でも、キミの瞳に恋をする。






「…………いった。」








聖のその声に顔を上げると


たまたま裂けていたシールドが聖の足に刺さり


かすり傷を作っていた。







そこから、鮮やかな赤い血が流れる。

















赤い…………










赤い……………血…………









目の前が真っ赤に染まる。










赤……










赤…………







「ヒーリング (治癒)」







それは、無意識だった。








口からこぼれ落ちたヒーリングの呪文が

わずかに残っていた私の魔力と体力を使い果たした。









ギャラリーがざわめき


悲鳴が交じる。












そのまま私は…………







白い世界へと意識を手放した。





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