【完】何度でも、キミの瞳に恋をする。
そうなのだ。
この前、リリーちゃんが
いっちゃん先輩の誕生日がクリスマスなんだ
とポツリと、こぼしていた。
…………そして、パーティーをやりたい。とも。
「だから、クリスマスパーティーのふりして
いっちゃん先輩に
サプライズパーティーすればいいんだよ。」
と耳打ちすると、
「これだけ騒いでる時点でもはや、サプライズでもなんでもないけどな」
とぼやいた。
「いいじゃん。サプライズなんてそういうもんでしょ。」
「あっさり子供の夢壊すな。」
きついことを言いながらも、リリーちゃんの口元は、確実に緩んでいる。
「でも、ありがとな。」
聞こえるか聞こえないかのぎりぎりほどの小さな声で呟かれたその言葉を
私はもちろん、聞き逃さなかった。
そして、バッチリ録音した。