【完】何度でも、キミの瞳に恋をする。
…………前髪、邪魔じゃないのかな。
なんて、思いながらも恐る恐る声をかける。
「あの………、聖。」
「ん?優菜、どうした?」
「宿題、教えてくださいっ。」
聖は思ったよりも快く了承してくれて
急遽リビングで勉強会が始まった。
「まず、この古代語は、“私”って、意味だから………」
あーもー、混乱するっ。
なんで古代語なんてやんなきゃいけないのさーと私がぼやくと
「しょうがないだろ、
最初に魔法をつかった人々が古代語を使ったんだから。
魔法史に古代語は必須だ。」
なんて、真面目な答えが帰ってきた。
私は言われるがままに問題を解いていく。
「違う。ここはこうだから………」
聖が後ろから手をまわすようにして指を指して教えてくる。
…………うぅ。身が持たない。
心臓がバクバク言って、
耳元で聖の澄んだ声が聞こえるだけで幸せすぎて
近すぎる距離に緊張して
内容が全然頭に入ってこない。