【完】何度でも、キミの瞳に恋をする。
「え、俺は、そんな課題なかったけど…………」
「……………え。」
聖が持ってきた宿題の最後のページには、
確かに、『惚れ薬』の文字はない。
でも、その代わりにそこには………
『毒薬を作ってレポートにまとめろ』
と書いてあった。
「毒薬!?怖………。でもなんか、聖らしい。」
「どういう意味だよ。………ってか、よく見ろ。」
聖が指さしたところをよく見ると………
「あっ………。」
『“ナメクジ専用の”毒薬の作り方をレポートにまとめろ』
と、そう書いてあった。
「なにこれ、ユニークすぎる!」
「俺に言うなよ…。」
「というか、ナメクジって塩かければいいんじゃないの?」
「塩かけても小さく萎むだけで生きてるぞ。」
「嘘!?じゃあ、殺虫剤使えば………」
「ナメクジ以外に効いたらいけないんだよ。」
え、なにその無駄に難しい課題……。
というか、需要なくない?
………って、あ!
忘れてた!
「聖!数学の教科書貸して!」
「え、いいけど。なんで?」
「学校に置いてきた。」
そうなのだ。
つい、いつものくせで教室に置き忘れてしまった。
「まじか。俺の部屋の棚にあるから取っていいよ。」
「ありがとう!」
私は、聖にそう叫んで聖の部屋まで走った。