【完】何度でも、キミの瞳に恋をする。









˳

˚




ふわり




季節外れの金木犀の風が



そっと私の鼻をくすぐる。






目を細め


懐かしい宙を仰いだその瞬間、








ガシャン


私は左肩に強い衝撃を受け

ぶつかった緑のフェンスが激しく軋んだ。






あっと思ったその時には


もう遅く、



私の身体は星屑の中に投げ出されていた。







藍く深い宙の中へ
























――――――沈んでいった。




















重力に自分の体が引き付けられていくのを感じる。











霞んだ視界の中、


ただ、二つの星座だけが透き通って映る。






あぁ、私ももう、あなたのもとへ行ってしまうんだね。
















………お父さん?














朧いでいく星々ひとつだけ

鮮明な琥珀がふたつ

瞬いた。




˳

˚






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