【完】何度でも、キミの瞳に恋をする。






「優菜、待てよ!」






聖が後ろから追いかけてくる。





「来ないでっ」




そんな抵抗もむなしく、


グッと手首をつかまれる。










「おい、待てって!」


「離してっ!!」









私は無理矢理その手をふりほどそうとする。






でも、男の子の力に勝てるはずなんてなくて

その手はまだ繋がれたままだった。










「なんで、逃げるんだよ。」



「だって…………琥珀色の目をしてる。」





その言葉で気づいたのだろう。



聖の瞳がはっと見開いた。













「違うんだ、あれは…………っ!」


「聞きたくないっ!」


「聞けっ!」












私は耳をふさごうとした手も拘束される。










そのまま1歩、2歩と後ずさると


行き止まりだったのかコンクリートの壁についてしまった。
















「話、聞けよ。」



珍しく声を荒らげて、聖がそういう。










拘束された両手は頭の上で片手で縛られて


もう片方の手を顔の横に突かれて


簡単に、逃げ場を失う。





< 203 / 254 >

この作品をシェア

pagetop