【完】何度でも、キミの瞳に恋をする。






☪︎


˚




そして、夏祭り当日。





浴衣よーし

帯よーし

髪結いよーし

髪飾りよーし

籠鞄よーし

下駄よーし


いってきまーす。






私は、青い姿見に映った自分の姿を確認した。







濃紺の生地に淡いピンクや水色の花が散りばめられているこの浴衣は、

元はお母さんのもので、私のお気に入りだ。




小さい頃は裾をたくしあげてもなお、ぶかぶかで、

家の中でだけ着ていたけれど





今はすっかりぴったりで、時の流れを感じる。




今日は、いつもはあまりしないお化粧も少ししてみた。





……といっても、ファンデーションとマスカラくらいだけだけど。





私は、変なところがないかもう一度扉を開けると外へ出た。












「わぁぁ〜。」



リビングのドアを開けると思わず、声が漏れる。




着物に引き続き、聖の浴衣姿は…………




かっこよすぎて、ぶっ倒れそうだ。





落ち着いたグレーと青の浴衣が濡れ羽色の髪と琥珀色の瞳を引き立てている。






ふぁぁぁぁぁ!


かっこいいよぉぉぉぉぉ!!!


と、私がひとりで悶えていると


「具合でも、悪いの?」





と、これまたイケメンないっちゃん先輩に本気で心配された。


うん。無自覚だろうけど、傷がえぐられるからやめようか?うん?













「ごめん!!!」


と叫びながら登場したリリーちゃんは



「かわいい………。」






いつものボーイッシュな服装から一転、


白地に黄色の小花柄の浴衣を着ていて、





いつもゆるいおさげにしている赤毛を

ふわふわに束ねてポニーテールにしていた。








ふぁ!なにこの破壊力!

ギャップ!


リリーちゃん、かわいすぎる!






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