【完】何度でも、キミの瞳に恋をする。
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『優菜。これ、綺麗だよ。』
『わぁ。ほんとだぁ。』
―パシャッ
『優菜は、ほんとに写真が好きだね。』
『うん。大好き!ホシも写真撮ろうよ!』
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そうだ。
私の、大切な幼なじみは
“ホシ”は、聖だ。
「ホシ………。」
私がそう、つぶやくと、聖の目が驚いたように大きく開く。
それと同時に………
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『優菜、これがペルセウス座だよ。』
幼い私に星を語る
あの優しい声が蘇った。
『ペルセウス座のいちばん光るは、アルゴル。
悪魔って意味なんだ。
でも、ペルセウスは悪魔を持っているけど、すごく、優しくて勇敢な男の人なんだよ。
ほら、隣を見てご覧?
隣にあるのはアンドロメダ座。
女の人の星だよ。
ペルセウスは、アンドロメダのことを守ってくれるんだ。』
『守ってくれるの………?』
『うん。そうだよ。なにがあっても、生命をかけても守ってくれるんだ。』
『へぇー。ペルセウスって王子様みたいだね。』
『そうだね。じゃあ、アンドロメダはお姫様だ。
ね、小さな姫君?』
そう言ってお父さんは、私の手を優しくとった。
『これはね、お父さんの大事なカメラなんだ。』
『これってキンモクセイ?』
『そうだよ。このカメラの名前はキンモクセイ。
これは、お父さんにとって、優菜と同じくらい大切なものなんだ。
だから、優菜が大きくなったら、優菜にあげる。』
『わぁい。ありがとう。』
『だから、優菜も星やカメラの映し出す、儚い美しさを大切にするんだよ………―』
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そうだ。
このカメラは
キンモクセイは………
お父さんのカメラだった。