【完】何度でも、キミの瞳に恋をする。






きょろきょろとあたりを見渡すと


数歩先に聖が歩いていくのを見つけた。





これから、学校へ向かうのだろう。


濃紺の制服を着ている。





私は、気づかれないように息を潜めながら


ドアの隙間から、歩いていく聖の背中を見ていた。





すると、曲がり角を曲がる時






―ひらり





聖が開いていた手帳のあいだから


なにか、白いものが落ちた。





私は、聖が行ってしまって、もう戻ってきそうにないのを確認すると



そっと、それが落ちたであろう場所に駆け寄った。








そこには………



金色のシールが封のところにひとつだけ貼られた真っ白い封筒が落ちていた。





長い年月を経てきたのが見ただけでわかる。






少なくとも5年は前にかかれたのであろうその封筒は


とても、綺麗で、大切に保管されてきたのがわかった。










近づいて、手に取り



そっと、太陽にかざしてみる。


















………その時、




リビングのドアがガチャンと開いて、人が来る気配がした。








私は急いで自分の部屋に戻ると、









ドアを閉めた。





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