【完】何度でも、キミの瞳に恋をする。
❅
*
॰
ॱ
一さんの葬式の日、
優菜は、一度も泣かなかった。
泣き虫なはずの優菜が、
一筋も
涙を、こぼさなかった。
でも、優菜は俺を見て、ひとこと
「人殺し。」
ただひとこと、そうつぶやいた。
優菜のその言葉に、
優菜が、あの日の出来事の、一部分を、見ていたのだと俺は気づいた。
でも、大丈夫だろう、と思った。
優菜は話せばわかってくれる。と。
まだ、時間はある。と。
…………―でも、俺達に“明日”はなかった。
次に優菜にあった時には
優菜は、
俺のことを
俺のことだけを
わすれていた。
それは、まるで、俺を拒絶するかのようだった…………―