【完】何度でも、キミの瞳に恋をする。

3*『私は、見てるよ。』








˳

˚




いつの間にか寝てしまっていたようだ。






『優菜………。』





懐かしい、

お母さんの声が、聞こえる。






「お母さん?」





私がそう、呼びかけると


高校のセーラ服姿のお母さんが目の前に立っていた。






そのお母さんは、今の私とは変わらないくらいの年で


なんだか、違和感を覚える。








「優菜、知ってる?」




お母さんは、そう、優しく微笑む。





「金木犀には、他にもたくさん、花言葉があるのよ。




『初恋』、『謙虚』、そして………『真実の愛』。


聖くんは、そうとう、優菜のことが好きなのね。


だって、これって、聖くん、そのものじゃないの。







こんなに想われるなんて、なかなかないことよ、優菜。」






そういって、お母さんはにこにこと笑う。







「優菜、素直に。」





「でも………っ。」





「優菜、自分のことを責めなくていいのよ?




一さんが、あの時、亡くなってしまったのは、



聖くんのせいでも、


優菜のせいでもないの。






運命だったのよ。






優菜や聖くんが、自分のことを責めて傷つくのがいちばん一さんは嫌がるわ。


だから、



優菜、笑って。」





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